アイルランドゆる留学紀

アイルランドの街ではじまった学生生活を書き留めます。

節目:一年 ファウンデーションコース総括


学士留学という全体像から見ると、一年のファウンデーションが終わり、5分の1が過ぎたことになります。私のファウンデーションコースは、語学学校的な側面と、大学的な側面を持つコースでした。その経験をまとめていきたいと思います。

さて、節目記事は随分とご無沙汰です。ようやっと一年目を無事終了したことをご報告します。家族、友人、ルームメイトや先生と、多くの人に助けていただき、生き延びられたと一息つく思いです。

ファウンデーションの意味

前に”ファウンデーションコースについての記事”でも述べましたが、ファウンデーションは①語学力を補う②高等教育上の差を埋める、という主に二つの目的があります。そこで英語学習と大学準備の面から、思ったことなどを記します。
taratapata.hatenablog.com

英語学習について

一年間お世話になった学校では、毎午前中に英語の授業を受けていました。2月には一般英語コースから、ケンブリッジ英検の準備をするコースに移りました。学びに集中できる環境が必要だったためです。

先述の一般英語コースは、生徒の入れ替わりが激しく講師も交代するため、授業の質にムラがありました。語学学校では珍しくないことだと思います。交友の輪を広げる、色々なアクセントに耳を慣らすという点では効果的でした。しかし、毎月曜日は自己紹介で始まるなど、長期滞在者の学習に非効率的であり、週を重ねても授業のレベルが上がらない点に不満を感じていました。(生徒の入れ替わりがあるため、授業のレベルは概ね一定である必要があります。)

一方、試験準備コースは12週かけて試験に備えるという目的のコースです。生徒の顔ぶれも変わらず、同じ先生に学びます。これはとても実りのある期間になりました。皆が目的を共有しているためモチベーションが高いということに加え、担当の講師も試験対策に特化した方々だったからです。

ケンブリッジ英検は受けると無期限で英語の能力を保証する点(IELTSは2年)や、日本では受けにくい試験であることを鑑み、持っていて損はないだろうとして受験しました。

試験準備コースを通じて、英語で表現する(スピーキング・ライティング)力を大きく向上させることができたように感じています。

ケンブリッジと渡航前に受けたIELTSはその性質を異にしますし、正確に比較はできないのですが、スコア面で比較すると下記の通りでした。

IELTS(2021年3月)→  ケンブリッジ(2022年5月)

リスニング B2の上 → C1のそこそこ

リーディング C1の上 → C2のそこそこ

ライティング B2の上 → C1のそこそこ

スピーキング B2の中 → C1の上

文法関連 スコアなし(IELTSに項目なし) → C1の上 

(B2,C1という表記は、CEFRというヨーロッパの言語のレベル分けに多く使われる基準で統一しています。IELTSスコアからのCEFR換算は公式HPから
https://www.ielts.org/about-ielts/ielts-in-cefr-scale


全てのパートで1レベルずつ上がった、という印象です。特にスピーキングはテストの上では伸びました。ただスピーキングテストの性質上、学習環境の助けが非常に大きかったと思います。普段からいかに英語を自分に刷り込んでいるかで、言葉を見つける反射速度は大きく変わります。よってコースを通じてスピーキングの練習をしたことや、普段から授業で発言するなど、自分の考えを素早くまとめて発言する習慣を持っていたことが良い効果を及ぼしたと思っています。

ちなみに一ヶ月日本に帰った後にアイルランドに戻ると、「英語は分かるのに、口から言葉が出るのに時間がかかる!」と振り出しに戻った気分を味わいました。

9ヶ月間を通して、自分の言葉で話す力は向上しました。ただ知識のない分野に関しては全く歯が立ちません。日本語であれば濁したり相手の話に合わせたりできますが、英語の場合まだできません。良くも悪くも自分の元にある知識や興味が浮き彫りにされます。表現する中身の部分を充実させるために、自分で経験を積む、本を読むなど視野を広げる必要があると痛感しました。よってコース終了後からは、毎日時間をとって日本語でも本を読むようにしています。英語で読む場合と比べて吸収速度が段違いですし、新たな発見もあります。まだまだ模索中です。

ビジネス分野(+大学準備)の学習について

先に述べておきますが、私の希望する専攻分野は文学、文芸、芸術、歴史(あと語学)です。ビジネスの授業を取るに至ったのは、大学が専攻に合うファンデーションを提供していないためです。

さて。いやー、後期は非常に厳しかったです。コマ数も少ない分課題も少ないため時間的・体力的余裕はあったのですが、いわば自分との戦いをしていたように思います。モチベーションを保つのに苦心しました。

とった授業はマーケティングとビジネスコミュニケーションでした。

マーケティングは、現地でマーケターと働いている方を講師に迎えての授業でした。授業は対面で、最後の試験のみオンラインという構成です。専門用語が頻出する科目であった点と、情報過多なスライドを淡々と読むという授業スタイルが大変さの理由でした。

最初の数週間は、事前にスライドから進出単語を全て抜き出して訳しておくようにしていたため、予習に非常に時間がかかりました。あとはノートを取りやすくなるよう、授業の構成を予測し、見出し付きのノートを用意していました。授業や内容に慣れて、綿密な予習が必要でなくなってからも、スライドに目を通し疑問点などはメモをとっておくようにしていました。

そして10週間以上授業を受けてわかったことは、マーケティングは自分の強みではない(!!)ことです。どうしても授業を楽しめず、日本人のマーケターが書いた本を読んだり、YouTubeで関連の動画を見たりと、好奇心を掻き立てるため行動もしてみました。(USJのマーケターとして一躍有名になった森岡毅さんの著書は読んで面白かったです)そうして試行錯誤する中で、自分は何が好きか、得意か、好奇心が疼くか、と分析していく機会になりました。

結論:経営より経済派。購買層の分類などは楽しいけれど、会社の構造を分析したりする点はまだまだ苦手。面白いと感じるものに切り口を見つけよう!

ビジネスコミュニケーションの授業は、いくつかの大学機関で教えている講師(会計学)の方の受け持ちでした。

この方が強烈で、論理より実践、全ての生徒をコンフォートゾーンからひっぱり出すという方針のもと授業が行われました。グループや組織の中で円滑に仕事をこなせる環境をいかに作り出すか、組織全体にポジティブな影響をもたらすためにはどうするべきか、ということを学ぶ授業でした。目新しいことを学ぶのではなく、自らの強みと弱みを把握すること、そして実践しているコミュニケーションの技術を言葉で説明する側面が大きかったです。難しかったことは、講師の人がとても早口なので慣れるのに時間を要したことと、グループ課題を完成まで持っていくことでした。

結論:グループ課題では気を揉んでやらなくていいことまでやりがち。他の人のパートまで作り込んでおき、自分には火の粉が降りかからないようにしよう!

一年の準備コースは、無事必要なスコアも取って修了することができました。このコースでものを言ったのは計画性です。全ての授業から一気に課題が課されることがしばしばで、油断すると提出期限に間に合わないというケースも見てきました。私が主に自分で決めたルールは下記の通りです。

  1. 実際の締切から2日前に自分の提出締切を設定する。
  2. 課題をこなすステップごとに分けて細かい締切を設定する。
  3. いつまでに取り掛かるか、という起源を設定する。

この三つを徹底したことで、基本的になんとかなりました。特に一番下の工夫は先延ばしにできない要退路を断つという点で非常に有効でした。

まとめましょう

あっさりとですが後期を振り返ってみました。生活面の総括や進路についてのまとめも上げるつもりでいます。

アイルランドでは夏休みが長く、6月から8月いっぱいまではお休みです。私は6月に少しだけ帰国し、夏をアイルランドで(避暑)過ごすために戻ってきました。その中でボランティアやWWOOFerとして働くなど人活動を開始しました。随時ブログでもアップデートしていきたいと思います。